映画『ヴィクトリア』
『ヴィクトリア』鑑賞。140分ワンカットがすごいともっぱらの噂で、観に行きました。主人公の女の子(ヴィクトリア)が銀行強盗の実行犯として事件に巻き込まれていくドキュメントのような緊張感。
あらすじ
3か月前にマドリードからベルリンにやって来たばかりのヴィクトリア(ライア・コスタ)は、帰ろうとしていたところ4人組の青年に呼び止められる。まだドイツ語がおぼつかないながらも、彼女は地元民の彼らと酒をくみ交しながら楽しい時間を共有する。その後ヴィクトリアは、酔いつぶれた仲間の代わりに車の運転の代行を頼まれ…。(Yahoo映画より)
終わってみると、見るからにしょうもなさそうな男たちにほいほいついていくほど心が空っぽだったヴィクトリアのさびしさとか、母国語が異なる人たちがつたない英語でコミュニケーションをとる曖昧さとか、そういうもどかしさみたいなのがおもしろみのひとつだったんだなあと。彼女が一応満たされたなら、まあいっか、と思える。
映画作ったことないので、140分ワンカットってのが技術的にどれだけありえない事件なのか、想像しても足りてないと思いますが、カメラマンとかどうなってんだろ?こんなことが可能なんだなあとは驚いた。正直前半は間延びしてしまったのですが(画面が暗いのもあってちょっと寝た)、それはしょうがないか。
個人的に、ワンカットの緊張感といえば去年の『セッション』の事故のシーンを思い出して。ああいう手法はままあるそうだけど、突然はさまれたドキュメンタリータッチがすごい印象的で、正直最後のドラムセッションより事故のシーンがハイライトだったなあと。ちなみに並べて語られる『バードマン』はまだ見てないです。
それから、母国語が違うひとたちが英語でコミュニケーションするもどかしさは、チョン・ウソン氏の『きみに微笑む雨』を思い出した〜。これはパニックものではないどころが超恋愛ものですが。ウソン氏の甘ったるさってなぜか背徳感を生むんですよね〜、サイコー。韓国映画のすばらしさについてはおいおい書きたい。ノワール中心にちょっと恋愛ものも。共有できるひと、いないかなー。